df コマンド
ファイルシステムのディスク容量使用状況を表示します。
概要
df
コマンドはファイルシステムのディスク容量使用状況を報告し、マウントされたファイルシステムの合計サイズ、使用済み容量、利用可能な容量、マウントポイントなどの情報を表示します。ディスク容量を監視し、容量が不足しているファイルシステムを特定するために一般的に使用されます。
オプション
-h, --human-readable
サイズを人間が読みやすい形式で表示します(例:1K、234M、2G)
$ df -h
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/sda1 20G 15G 4.0G 79% /
tmpfs 3.9G 0 3.9G 0% /dev/shm
/dev/sda2 50G 20G 28G 42% /home
-T, --print-type
ファイルシステムの種類を表示します
$ df -T
Filesystem Type 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
/dev/sda1 ext4 20971520 15728640 4194304 79% /
tmpfs tmpfs 4096000 0 4096000 0% /dev/shm
/dev/sda2 ext4 52428800 20971520 29360128 42% /home
-i, --inodes
ブロック使用量の代わりにiノード情報を表示します
$ df -i
Filesystem Inodes IUsed IFree IUse% Mounted on
/dev/sda1 1310720 354026 956694 27% /
tmpfs 999037 1 999036 1% /dev/shm
/dev/sda2 3276800 125892 3150908 4% /home
-a, --all
ダミー、重複、またはアクセスできないファイルシステムも含めます
$ df -a
Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on
/dev/sda1 20971520 15728640 4194304 79% /
proc 0 0 0 - /proc
sysfs 0 0 0 - /sys
tmpfs 4096000 0 4096000 0% /dev/shm
/dev/sda2 52428800 20971520 29360128 42% /home
-P, --portability
POSIX出力形式を使用します
$ df -P
Filesystem 1024-blocks Used Available Capacity Mounted on
/dev/sda1 20971520 15728640 4194304 79% /
tmpfs 4096000 0 4096000 0% /dev/shm
/dev/sda2 52428800 20971520 29360128 42% /home
使用例
特定のファイルシステムの容量を確認する
$ df -h /home
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/sda2 50G 20G 28G 42% /home
オプションを組み合わせて詳細情報を表示する
$ df -hT
Filesystem Type Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/sda1 ext4 20G 15G 4.0G 79% /
tmpfs tmpfs 3.9G 0 3.9G 0% /dev/shm
/dev/sda2 ext4 50G 20G 28G 42% /home
特殊なものを含むすべてのファイルシステムの容量を確認する
$ df -ha
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/sda1 20G 15G 4.0G 79% /
proc 0 0 0 - /proc
sysfs 0 0 0 - /sys
tmpfs 3.9G 0 3.9G 0% /dev/shm
/dev/sda2 50G 20G 28G 42% /home
ヒント
重要なファイルシステムに焦点を当てる
df -h | grep -v tmpfs
を使用して一時的なファイルシステムをフィルタリングし、物理ディスクに焦点を当てます。
大きなファイルシステムを特定する
ソートと組み合わせて最大のファイルシステムを特定します:df -h | sort -rh -k2
重要なしきい値を監視する
使用率が高い(90%以上)ファイルシステムは、すぐに対応が必要になる可能性があるため注意してください。
特定のマウントポイントを確認する
トラブルシューティング時には、特定のマウントポイントを直接確認します:df -h /var
で特定のディレクトリの容量不足を確認できます。
よくある質問
Q1. "Use%"列は何を意味していますか?
A. ファイルシステムの容量のうち、現在使用されている割合を示しています。
Q2. より読みやすい形式でディスク容量を確認するにはどうすればよいですか?
A. df -h
を使用すると、人間が読みやすいサイズ(KB、MB、GB)で表示されます。
Q3. 一部のファイルシステムがサイズ0と表示されるのはなぜですか?
A. /procや/sysのような特殊なファイルシステムは仮想的なもので、実際のディスク容量を消費しません。
Q4. iノードの使用状況を確認するにはどうすればよいですか?
A. df -i
を使用すると、ブロック使用量の代わりにiノード情報が表示されます。
Q5. dfとduの違いは何ですか?
A. df
はファイルシステムレベルでディスク容量使用状況を報告し、du
はファイルとディレクトリレベルでディスク使用量を報告します。
参考資料
https://www.gnu.org/software/coreutils/manual/html_node/df-invocation.html
改訂履歴
- 2025/05/05 初版